石の枕 石の枕 石の枕

待って

「万軍の主は仰せられる。これは権勢によらず、能力によらず、わたしの霊によるのである」(ゼカリヤ四の六)。

今井正監督の映画に出演した女優の有馬稲子さんがこんな述懐をしている。

「待って!」と言う場面があった。監督が何度も撮り直しを命じる。五百回くらい「待って!」を繰り返したか。自分に失望、ホテルの窓から飛び降りようと思った……。

同じような思い出を語る人が多い。それでもなお、つくり上げた作品を見た後、この監督と一緒に仕事をしたい、とあらためて思うのだそうだ。根気よく、手を抜かず、納得がゆくまで目指すところを追求する。その厳しさに教えられ、共感するからだろう。

信仰の世界は、この世界とは違うとはいえ、神学生諸君をこのように育てていない自らを恥じる。また、自分の努力の足りなさを申し訳なく思う。

宗教改革者ジョン・カルビンは、「教会で牧師から学ぶことは忍耐である。その説教を聴くことによって忍耐を学べる」とか言ったそうだが、最大の努力をしつつも不十分な日々である。しかしそれによって、キリスト者の身につけるべき大切な品性を体得できるなら感謝なことだが――。

説教や教会の主に在る聖務は、今井監督に負けないくらい精進しなければいけないが、それはまた、人間の努力におよばない世界であることを知ってほしい。まさに「能力によらず、主の霊のお働きである」。

そこで教会の祈りの必要がとかれる。定例の祈祷会、早朝の祈り、徹夜の祈り、土曜の準備の祈り会等々、それぞれが大いなる祝福を受けている。

これは、やがては日本のリバイバルの発火点となることは確かである。おのおのがた、深い自覚をもって、祈りの生活を大切にしてほしい。

心を合わせて祈るなら必ず起こるリバイバル。もうすでに、不思議なことが多く起こり始めている。

一九九三年二月七日

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