石の枕
ウェストミンスター 宗教改革時代の三十有余の信条の中で聖書の教理を体系的に教えているものとしては、最も完備した信条と言われるウェストミンスター信仰告白とともに、青少年教育のために作られた「ウェストミンスター小教理問答書」がある。これはその冒頭第一問の有名な問答によって広く知られている。
問一、人のおもな目的は何ですか。
答、 人のおもな目的は、神の栄光を現わし、 永遠に神を喜ぶことです。
私たちの群では、こういう問答書を用いて教育されていないので、こういう方面は弱いかもしれないが、この有名な問答だけは覚えていてほしい。
さて、この第一の答は、二つのこと、即ち「神の栄光をあらわす」と「神を喜ぶ」とある。
両者には順番が大切という学者もいるが、むしろ、表裏関係といってよいと思う。二つは決して切り離せない。両者は補い合って、私たちに人の目的を教える聖書のメッセージである。
神の栄光をあらわすとは何か、それは神を喜ぶことである。神を喜ぶとは何か、それは神の栄光を現わすことである。神の栄光を現わすことなしに神を喜ぶことはできないし、神を喜ぶことなしに神の栄光を現わすことができない。
私たちは、神の栄光を現わすための存在とは、何と光栄に満ちた表現か。
多くのキリスト者は、この格調高い答に圧倒されるかのようであるが、長い間探し求めて来た人間の生の目的の本質にふれて感動する人も多くいる。時間をかけて味わいたいものである。
「主を喜ぶことはあなたがたの力です」(ネヘミヤ八の十)とあるが、毎週日曜日の礼拝で、また各祈祷会で思いきり主を賛美し、喜ぶことは驚くべき力となる。そして、日々の個人的生活の中で、これを実践している人が実に多くなった。
一九九三年三月二十一日
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