石の枕
支えてくださった人々 ひとつの教会が建て上げられるためには、いろいろな歴史がある。「歴史の中で働かれる神」というテーマがあるが、私たちの群も振り返ると、悲しいこと、苦しいこと、いろいろあったが、「すべてを善にしたもう神様」(ロマ八の二八)が最善にしてくださったと言い切ることができる。
なされた事柄、出来事もであるが、人物もまた用いられた。現存の諸兄姉は勿論であるが、三畑長老さんの奥様、この度天に召された安藤せい姉も、私がサンフランシスコ教会から就任するのをご存知であったかの如く、タイミング良く東京から引っ越して来られて私を迎えてくださった。二十二年間もの間、熱心に、誠実に、忠実に主にお仕えなさっただけでなく、牧師を支えてくださった。本当に感謝している。「主与え、主取りたもう、主の聖名はほむべきかな」である。
実は、私を支えてくださった聖徒のひとりに、ネル・ケネディ先生がおられる。
この先生は、現在北海道酪農学園大学の教授をしておられるが、私をよく理解し、祈り、支えてくださった。この方が、私を高く評価して、ある日曜日(一九七七年二月二十八日)にアメリカから帰国途中のチョウ・ヨンギ博士を、私たちの教会の礼拝(当時、今の教育館が礼拝堂であった)にお連れしてくださった。
ケネディ先生がそのようなことをなされなかったら、今日の教会はどうなっていたかともいえる。歴史の中でなされるひとつひとつのしぐさに深い意味がでてくる。
この度、ケネディ先生が「陶器師の手の中で」という本をいのちのことば社から出された。訳者の一人河田恵美子姉は当教会員である。はじめのことばの中に、「大川従道牧師と座間教会(現在、大和キリスト教会)に―心からお礼申し上げます」とある。
いつまでも恩を忘れない米国人で恐縮している。このすばらしい本を是非買って読んでください。
一九九三年八月二十二日
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